酢の物に見る貧乏性例
夕食の副菜、キュウリとワカメの酢の物、風味づけに白ゴマがまぶしてある。
酢の物は特に好きでも嫌いでもない。ご飯と主菜と味噌汁と、適量ずつよく噛んで食べてしまった。
だが、どうも気になる。酢の物の器に白ゴマが残っている。一見してその数30から40粒。気になってしまうと、意識がそこに集中してしまい、「一粒残らず食べねば!」と義務感にも似た衝動に駆られる。
酢の中にゆらゆらしている白ゴマを、箸の先で一粒ずつ掬い出して器の縁に寄せ、適量集まった分ずつ噛みしめる。一粒も形が残らないように噛みしめる。そして、全ての白ゴマを噛みしめ終えた後に、達成感と開放感が訪れる。
食事は残さない。もったいない。
だが、そこまでする必要ある?
第3者視点で見れば、「白ゴマ相手にムキになりなさんな」と肩をポンポン叩きたくなるところだが、当人はもはや白ゴマとて容赦なく胃袋に収めねばならない態度である。
もったいない、こだわってしまうと、そこまでしなきゃならない貧乏性である。
(自慢にはならないぞー!)
以上。2022.05.10