うつ病みの日々のあれこれ

うつ病みが日々のあれこれを綴ります

夜が一番短い夏至の日

今日は夏至。昼の時間が一番長く、夜は一番短い。中緯度の日本よりも高緯度の国ではその差が極端である。一例として、北欧アイスランド気象台のリンクを貼っておく。

日の入りが0:04(何と日付を越える!)、日の出が2:55と、夜がわずか2時間51分しかない。それに「Not dark」と暗くならずに薄暮状態のまま再び日が昇るとのことだ。また逆に、冬至のときは昼の時間がわずかで夜が非常に長くなる。上記の時刻データは首都レイキャビクのものであり、北部の離島Grimseyは北極圏にかかるので、夏至冬至はそれぞれ白夜と極夜となる。

一日中昼、一日中夜という環境は日本にいては想像しにくいが、私のような体内時計がぶっ壊れた人間は体調を崩したりしないかと心配になる。同じく高緯度のデンマークグリーンランドでは自殺率が高いそうで(以前wikipediaに記載があったが削除された?)、長すぎる夜はメンタルにも影響するようだ。

以前うつで寝たきりに近い状態の頃はずっとカーテンを閉めたままだった。今思えば非常に良くない悪循環なことをしていた。一日一日の区切りがなく、同じ沈んだ気持ちのままが延々と続くような状態を自ら作り出していた。当時のことはあまりよく憶えていないが、明るいところ(外界)との接触が怖かったのだと思う。

私の場合は、幸いにして4週間ごとの通院は続けられた。適切な投薬を受けることで徐々に社会復帰できた。一方で、世の中には引きこもったまま外出できない人もいる。そのような人に対して「引き出し屋」という人権侵害ビジネスさえ存在する。自分の経験からすれば、それらのやっていることは当事者の精神をさらに一層破壊する行為に等しい。精神的殺人にさえ等しい。

必要なのは、外部との接点へとつなぐことだ。暴力的手法であってはならない。凍り付いた精神を徐々に解かすようにすべきで、発達障害適応障害などのケアが必要な場合も多く、専門的な知識や資格が必要な作業である。

一方で、外出を伴わずとも生活を送れるような基盤が徐々に整いつつある。専門知識を習得すれば在宅のまま収入を得ることも(今はまだ少数だが)可能になりつつある。それで自立した生活を維持できるかは難しいが、少なくとも外部との接点を持続し、自らが社会において何らかの役割を持った存在であると自覚できた時点で精神的な引きこもりからは卒業できたことになる。

引きこもりは現代社会が作り出した悪のイメージでとらえられがちだが、歴史をさかのぼれば古の「隠者」だって俗世から引きこもった人たちだった。それほど特殊なことではないのだ。

 

以上。2022.06.21