うつ病みの日々のあれこれ

うつ病みが日々のあれこれを綴ります

エレベーターで失敗する学生

エレベーターを待っている間も、スマホから目を離さずにいじくっている。学生の大半はそうだ。そこにエレベーターが来てのそのそと乗り込んで、扉が閉じて動き出したとたん「しまった!」とばつの悪い顔をする学生をちらほら見かける。下の階に行きたいのに、乗ったエレベーターが上行きで失敗したのだ。

不思議なことに、そのエレベーターは「ドアが閉まります」とか「上へまいります」とかアナウンスが入る。上に行くか下に行くか、アナウンスで気付きそうなものだが、スマホに気持ちが集中するあまりアナウンスに気が付かないようだ。

学内を歩いて移動しているときもいわゆる「歩きスマホ」が多い。まあ学内なら車の通行も限られているし、ぶつかったとしても、対人、対自転車、対建物なので大事には至らないだろうが、その一方で学内の感覚のまま周囲の一般道を歩いている学生をしばしば目にする。もし対車で接触事故になれば、過失割合は有無を言わさず車が悪いとされる。ドライバーにとって甚だ不利益だ。

そこまで周りに不注意になってしまって、大丈夫か?

私はスマホネイティブではないので、画面と言えばノートPCの12インチとかデスクトップ機の21インチとかがデフォルトだ。スマホの6インチの画面はとても小さくて疲れる。それも縦長画面なのでPC歴の長い私には常に違和感が付きまとう。

縦長画面の横幅は70mm程度だろう。人間の視覚の左右範囲からすれば非常に狭い領域に眼球が固定されることになる。このことが周囲への注意力を弱めているのではないだろうか。

スマホを見ずに歩いているならば、視線は常に前方の何かに向いていて、その対象も人であったり標識であったり信号機であったりさまざまである。小刻みに眼球を動かして絶えず周囲の状況を認識し続けている。

スマホの縦長画面に眼球が固定されたままだと、通常であれば当たり前の周辺情報認識がなされないままに歩いていることになり、身に危険が迫っても認識されにくい。加えて冒頭にも挙げたように聴覚さえも鈍らせてしまう。

学生にそのことを話したところで「えー、自分は大丈夫ですよー」などとの反応が返ってくるだろう。だが、酒に酔った人間ほど「大丈夫、だーいじょーぶー」というものだ。酔っているわけではないが、周囲への注意力は同程度まで落ちていることを認識しておいた方が良いと思う。

 

以上。2022.07.06