うつ病みの日々のあれこれ

うつ病みが日々のあれこれを綴ります

お米の配給を受ける学生

学生が研究室に配属されるのは4年生からだが、特定の研究分野の人手が足りないということで、昨年秋からルーチンワークの作業に1年生や2年生をアルバイトとして雇用している。

昨年11月か12月か、コロナ禍で生活が苦しくなった学生向けに、大学生協がお米3kgを配給した。用意されたお米の数は多くはなかったようだが、運良く当時1年生の学生が配給のお米を手に入れた。「ほんと、助かります」と言っていた。

学生のうち、自宅から通える者は2割か3割ほどではないだろうか。それ以外の者は大学周辺のアパート等に住んで、仕送りとアルバイトで生活費を賄っている。国立大なので私立に比べて授業料が安いとはいえ、送り出す親としては経済的な負担は大きい。学生の言葉はそのまま素直な感想だと思う。

他に研究室の4年生や院生で、昼食と夕食をカップ麺で済ませる者がいる。食べ盛りの若者がそんな偏食で大丈夫かと心配したりする。食べに行くのが面倒との理由もあるだろうが、食費を安くあげたいとの気持ちもあるのだと思う。また究極の節約として、外食を一切せずに自炊で3食賄うあっぱれな男子もいる。

私が学生だった頃と今では、大卒初任給は約3割ほどのアップ、それに比べ国立大の学費は2.5倍にも跳ね上がっている。昔は、運転免許を取ったらまずは原付を親が買ってやったりした。今では学生も欲がなくなってずっと自転車だけで生活している。旅行に出かけることもなくネット空間で疑似満足している。

エアコン効いた部屋は少なかったけれど、むしろ昔の方が豊かだったのではないか。

今の世代に豊かな暮らしをさせてあげられないのは、私ら上の世代の責任ではないか。

そう考えると肩身が狭いが、今から何かできることがあるだろうか。せめてアルバイトの学生に、今の仕事はルーチンワークだけれども研究の全体像をわかりやすく説明して、世の中の仕組みをより良く変えてゆこうとしていることを理解してもらうことから始めようか。

 

以上。2022.07.12