うつ病みの日々のあれこれ

うつ病みが日々のあれこれを綴ります

暑さのピーク

今日は7月末だ。8月に入って上旬が年間で最も気温が高い。下記気象庁のリンクで地域をクリックすると、2週間分の最高気温、最低気温の平年値グラフが見られる。

www.data.jma.go.jp私の地域では8月5日~8日あたりが暑さのピークになる。面白いもので、ちょうど立秋の時期に相当する。元々二十四節季は大陸中原が起源なので、海洋性気候の傾向が強い日本の季節とは少しずれがある。しかしながら、暑さのピークをもって、以降を秋と定めるのもまた一つの考え方として悪くはない。

先週からツクツクボウシが鳴き始めたので、夏の終わりが見えてきた感触を持った。これからニイニイゼミが減り、アブラゼミクマゼミが減り、9月にはほとんどツクツクボウシに代わる。

平地ではヒグラシを聞く機会はないが、標高の高いところではごく普通に聞こえる。平地のセミと比べて騒々しくないので私にはむしろ好ましい。

閑けさや岩にしみ入る蝉の声(芭蕉

私は、以前このセミをヒグラシと思っていた。だって、森の中を旅していて風情を感じるのはどこからともなく聞こえるヒグラシの声ではないか。鳴き終えると森の空気に閑けさが戻る風情、それを詠んだのだと思っていた。だが、実際にはそのセミニイニイゼミとのことだ。だとしたら大量のニイニイゼミの喧騒に囲まれていながら、その中で閑けさが岩にしみ入ると詠んだ。はー、ひねってますねー。考えが浅かったのですね。

だけれど、俳句の解釈の仕方はもっと自由であってよいと思う。俳句に限らず文芸全般、受け取り手の自由裁量に任せても良いのでは。特にわずか17音の俳句なら人それぞれ解釈の世界観が広がっても良いと思う。

俳句をはじめ、詩も小説も、読み手の頭の中で構築される芸術だ。他人の頭の思考に干渉できない以上、構築される芸術は個人個人に様々な形態であって良い。解釈をめぐってこれが正しいと100%言い切れるのは作者本人だけだ。その作者本人でさえ、年月が経てば正解が変動することもあり得る。

文学は、科学と違って正解がなくても良い。短歌の解釈をめぐって教授と喧嘩して大学をやめちゃった知人もいる。解釈の違いを、なるほどそういう考えもあるな、と余裕を持って受け入れて良いのが文学の面白さだと思うのだけれど。

 

以上。2022.07.31