うつ病みの日々のあれこれ

うつ病みが日々のあれこれを綴ります

楠の香り

昨日の午前中まで雨だった。今日は朝から天気が良い。日増しに強くなる陽射しに、草木の若葉が深い緑になってゆく。乾いていて心地良い移動性高気圧の風が、楠の香りを運んで来た。5階建ての建物よりも背の高い楠がいくつも植わっていて、吹き抜ける風に幾層も葉音を重ね合う。

かつて、楠からは樟脳が取られた。葉や枝を細かなチップにして水蒸気蒸留すると、樟脳を含む精油もしくは樟脳結晶が得られる。現在はコストの安い合成品が大半だが、国内にはまだ天然樟脳を作っている業者がわずかに残っている。

楠は、成長が早くかつ巨木にまで成長する。神社の御神木として祀られている楠も多い。また街路樹としても植えられるが、年月の経過とともに周囲の舗装をめりめりと押し上げて、その旺盛な成長力を見せつけられることもしばしばある。

5月は目の前。楠はこれから葉を落として若葉が芽生える。そして花が咲く。森の香りの季節が来た。