うつ病みの日々のあれこれ

うつ病みが日々のあれこれを綴ります

ソバの白い花

近県のソバの産地では今、ソバの白い花が満開になろうとしている。また品種によっては花の色は紫にもなる。

私はうどんよりもそばが好きだ。うどんについて、コシがどうのと蘊蓄を垂れる人が多いが、そばの麺はもともとコシがないのでそのような蘊蓄臭さとは無縁だ。純粋に味だけで評価できるので潔い。

ソバは元々、気候や土壌の性質が良くなく他の穀物が育たないようなところで栽培されてきたので、他の穀物に比べて格が低く扱われた。だが特に昭和の終わり頃から、コメ余りと健康志向から転作作物としてソバが中山間地を中心に盛んに栽培されるようになった。

石臼が伝来する前は粉食ではなく粒食で粥として食べられていた。歴史は古く縄文時代にまで遡るという。ただ風味も良くなく単位面積当たり収量も低いため、長らく救荒食の扱いであった。国内に限らず世界中で広く栽培されているが、やはり貧者の食べ物として扱われてきた。

しかし現代になり、栄養価を調べると、非常にバランスの良い健康食であるとの結果が出た。ただし、まれに人によってはアレルギーが出る。私は幸いアレルギーが出ないので、そばかうどんか選ぶなら例外なくそばである。特に最近炭水化物に気を付けているのでうどんは敬遠する。

そばとうどんの指向の比較では、関東ではそばが好まれ逆に関西ではうどんが好まれる傾向がある。また汁の味もカップ麺で関東風と関西風で味が違う。静岡に住んでいる頃は、店によっては両方購入できて食べ比べてみたことがあるが、どちらも美味しく、関東の人が関西風を好んだりその逆もあるだろうと思った。好みはあくまで個人差だけれど、食品メーカーもよく研究してるなーと感心した。

ただ、そばを食べるときの習慣で、私はざるそばの汁を割って飲む蕎麦湯の存在を30代になるまで知らなかった。wikipediaでよれば関東では当たり前であっても関西では存在すら知らない人が約半数とのこと。私の地元でも蕎麦湯を供するそば処は最近までなかった。静岡で仕事している頃に蕎麦屋で食後に供されて「これ何?、お茶の代わり?」と思ったものだ。

鉄道で旅をしていると駅そばを食べる機会が多かった。地域ならではの美味しいそばが手軽に食べられた。だが経済状況が悪化するにつれて次第に店の数が減っている。木枯らしの吹くホームで温かい駅そばをすするのも楽しみの一つだったが、いつまでそれが続くだろうか。

 

以上。2022.09.23