尊敬されない人々
いつの時代にも、富あるいは権力を手にして好き放題に振る舞って周囲に多大な迷惑をかける人たちはいた。だが21世紀になって人間は少しは理性的になるものだと思っていたが、現実には何も変わっていなかった。
経済に影響力を持つ人、政治に影響を持つ人、いまだに自らへ利益を誘導しようとするばかり。一つの気まぐれで膨大な数の生身の生活者が路頭に迷うこともあり得るのに。そんな人たちにはそもそも生活実感が欠如している。だから尊敬されることもない。人気はあっても利益のおこぼれにあやかりたいという浅ましい気持ちからだ。
経済、政治以外に、精神世界はどうか。これも残念ながら古来より利権や勢力争いに明け暮れていた。現在でも神社本庁のように露骨な政治介入がある。御朱印集めがブームだが、それを束ねている神社組織の内幕を知れば興味も失せる。
その他の新興宗教は、もはや信仰ではなく利潤追求のビジネスとして成立している。宗教法人として認められればさまざまな特権が手に入る。教団がどんな悪事を働いても信仰の自由を理由を盾に法的に強弁できる。信者は教祖を崇拝するかもしれないが、多くの場合は精神を統制下に置かれた状態なので正しい価値判断ができない。
人間って、いまだに理性より欲望の生き物なのだな。100年たっても1000年たっても。それでいて宇宙に進出しようなどと考えているのだから暗愚の極みだ。
以上。2022.11.08