うつ病みの日々のあれこれ

うつ病みが日々のあれこれを綴ります

前人未到の領域

自分の研究室で作られた材料を元に、新たな素材を作る。そしてその素材の各種特性を測定する。その新たな素材は、世界中の研究室の誰も作ったことのない、あるいは作ったことはあっても論文として発表されていない素材だ。今日はその測定装置(世界で最高感度)の取り扱い説明を受けた。

最高感度の装置だけあって、試料の作り方から、サンプル室への資料の置き方、解析の作法など決まりごとが数多くあって、初心者には難しかった。だが、自分の研究室のオリジナル素材の特性測定なので、世界中でまだ誰も測ったことがないデータが得られる。前人未到の領域を拓いていると思うとワクワクする。

逆に、このワクワクがなければ、素材作りや測定のたびに神経を擦り減らすことには耐えられないと思う。ただでさえ擦り減らせる余地がほとんどない神経なのだ。

今日の測定では、メインの性能がどのような機構で発現するかの傍証となるデータが得られる。これまで手持ちの材料の組み合わせで、およそどのような構造を組み合わせれば目標の性能が得られるか、手さぐりに近かったが、今日の測定から、良好な性能を発揮する組み合わせの指針が得られる可能性が高くなった。

また、月曜日には共同研究をしている研究室の先生から、別の特性評価装置のデモをオンラインで受ける予定だ。取り扱いや解析がシンプルで信頼性が高ければうちの研究室にも導入したいと先生は言っている。

去年4月はまだ部屋ががらんとしていたが、ようやく測定装置類が揃ってきて、多面的に現象を解析できる体制ができてきた。

うつに陥らずに、毎日少しずつでも前進できる環境なので、本当にありがたい。欲を言えば、給料が、いややめておこう。

 

以上。2022.06.24