うつ病みの日々のあれこれ

うつ病みが日々のあれこれを綴ります

aitendoあるある

今日はaitendoのスピーカー付きLM386アンプを作った。

www.aitendo.com昨日の秋月のキットに比べて、外付け部品の省略などでコストダウンしているのがわかる。かつて頻繁に使ってた「とりあえずスピーカーを鳴らす」程度の回路だ。

現物には70x40mmの楕円形スピーカーが付いている。口径が小さいので音質は期待していなかったが、実際動作させるとやっぱりがっかりする音しか出なかった。昨日の10cm径スピーカーをつないでみれば改善するだろう。

そのスピーカーを基板上に固定するのに真鍮製のねじとナットを使うのだが、なぜかナットが1つ、ねじに噛み込まない。もしかしてねじピッチの違うナットなのかと、ルーペで見てみると、あ、何てこった、ねじ山自体が彫られていない。

左:ねじ山が彫られていなかったナット 右:通常のナット

これは一本取られたわい。aitendoあるある、こんなトラブルもaitendoならではだ。まあ、このナット1つで動作自体には影響ないし、後からついでのときに買い足せば済むことだし、aitendoだし、笑って済ませよう。

世の中の物、価格と品質はトレードオフの関係にある。日本人は、安くて良いものを、と要求水準が高すぎる。安さを望めば少しの質の低下は許容しても良いのでは。実害があっては困るが、ない範囲なら大目に見ても良いと思う。

aitendoのキットやパーツの多くは中国製だ。Made in Japanの電子部品はすでに非常に狭い分野に限られている。かつては、さまざまな回路を開発してキットに仕立てて、そして多くの人がそれを組み立てて楽しんでいたので、開発・調達・利用のサイクルが国内で成り立っていた。だが、今は電子工作趣味者は激減して、また回路を開発する側も高齢化し廃業が相次ぐ。もう国内で電子工作ビジネスは成り立たなくなった。

また、抵抗やトランジスタなどの部品を組んで、というよりも、今ではワンチップマイコンに論理演算をさせて等価回路を作ることができる。ワンチップマイコンについて、国内製は教育用のものがわずかに出回っているだけで、ほとんどが米国や欧州のものである。国内で出回っている教育用よりもはるかに高性能なマイコンを欧州では学校教育現場で使っている。ハードの面もソフト開発の面でも既に2周ほど周回遅れになっている。

Pythonのプログラミングを学校教育に組み込んでみても、できたプログラムで何らかの実体物を制御させる体験を平行させないと、ただのプログラム言語教育だけになってしまう。何年勉強しても使えない「学校英語」と同じ道をたどるだろう。

かつては技術立国とも言われたが、残念ながらそれに携わる技術者の待遇は諸外国よりずっと低いままだ。プログラマは自らを「デジタル土方」と言う有様。そりゃ優秀な技術者が日本を脱出してゆくわけですよ。

電子工作趣味は中国頼み、マイコン趣味も欧州頼み、では日本には何があるのでしょう。

 

以上。2022.08.13