目論見失敗
電子工作の話。
ニッケル水素電池は単3や単4型が広く出回っていて、充電器も2つ持っている。ところが、006Pの角型電池は、探せば8.4Vの物があるようだが、肝心の充電器がない。手持ちのAMラジオで006P電池を使う物があるけれど、アルカリ電池しか使えないでいる。これを充放電自由な電池に代用できたら良いなぁ、と思っていた。
検索したところ、aitendoから
が組み立てキットである。3.7Vリチウム電池を昇圧インバーターで9Vにしているようだ。充電はmicroUSBで簡単にできるらしい。他の電子パーツとともにweb注文した。
組み立てはいたって簡単だった。microUSBを接続して給電すると、充電中は赤いLEDが、充電完了すると緑のLEDが点灯する。充電完了して、スイッチをONしテスターで出力電圧をチェックししたところ、7Vほどだったので基板の半固定抵抗を調節して9Vに合わせた。
よし、準備完了。早速AMラジオの電池スナップに接続し、スイッチをON。
え? 何? この盛大なホワイトノイズは。低い周波数ではさほど出ないが、周波数が高くなるにつれてノイズが大きくなる。どういうことだ? さては、昇圧素子のスイッチングノイズではないか?
aitendoのwebページに素子データへのリンクがあった。スイッチング周波数が1.2MHzつまり1200kHzだ。あー、やられた。1200kHzを中心とするノイズ発信機を直接AMラジオにつなぐことになるわけで、これではとてもラジオ用電池としては使えない。目論見失敗。落とし穴にはまってしまった。
かつて、無線の電源として、スイッチングレギュレーター式の安定化電源を作ったことがあるが、20kHzおきの強烈なノイズがハムバンド全域で出て、とても実用的ではなかった。それ以降、スイッチング式の電源は苦手だ。SONYのICF-7601やGrundigのYB500を持っているが、付属のACアダプターはトランスを使ったシリーズパス式だ。短波受信機としてはノイズを防ぐための当然の措置だ。
だが、身の回りで、スマホのUSB出力ACアダプターは小型化のためにことごとくスイッチング式だ。ラジオを近づければ強いノイズ源であることがわかる。ラジオを聴くときは、これらACアダプターを使わないか、あるいは物理的に離すかして回避している。
さて、ラジオ用に使えないとなると、この9V電池キットを何に使うか。趣味がラジオ系に偏っているので、なかなか別の活用法が見つからない。出力電圧が可変なので、5VにすればUSB出力、12Vにすれば車載機器のお遊び程度には使えるかもしれない。
もっと活用できると思ったのだけど、残念。。
以上。2022.05.03
追記
ニッケル水素の006P型角型電池、それから充電器、モノタロウにあるではないか。。。
www.monotaro.comお高い。だが、あー、何無駄なことやってんだか。。